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利用が発想されるかもしれません。ところが、現実には地下導水管によって水源の湖から企業が取水してしまう影響で、一部の川は「砂漠」となっているということです。観光資源に対する影響、環境問題、防火用水の不足などの深刻な問題を抱えています。
 見学を終えて、夕方から本会のメンバーと「しんこう苑」において交流会を持ちました。水郷水都全国会議事務局を担い、平成
10年より水利権訴訟を継続中の長野県大町市の市民グループからいただいた情報は、たいへん示唆に富んだものでした。違法な過剰取水を続ける一企業に、水利権を認めた旧建設省に対して、市民グループは「川は誰のものか? 川らしい流れに戻せ」という問題提起を行いました。訴えに対し、市民が原告になれるかどうかという点で、裁判の入り口にあたる「口頭弁論」が20回を重ねているそうです。その中で大町市のグループが得たのは、(1)相手側の資料から必ず反論できるものが見つかる、(2)原告適格性の問題が最終段階になってきた、ということです。21回目を迎え、長野地方裁判所が原告として適格かどうかの判断を下す日は今月28日。「市民と水利権」の行方を全国が注目しています。
 
16日は午前中、杉並木公園、日光の二社一寺水力発電設備などを本会メンバーとともに見学しました。地域を考える市民の力によって川が蘇り、水を生かした新しい地域作りのきっかけが大町市から発信されてくることを確信した交流会でした。       (塚崎)

中島さん宅の水力発電設備を見学する大町市の方々